屋代城のこと

 15世紀中頃、この地を治めていた屋代氏によって築城された山城です。標高は456m、比高差は90m。一部は土砂採掘により崩されてしまいましたが、山頂には当時の石垣や堀切が今も良好に残されています。

 1993年、千曲市教育委員会(当時更埴市)による発掘調査が行われ、尾根上に”曲輪”と呼ばれる削平地が南北に12か所と、堀切が確認されました。特に二曲輪下の堀切は現況よりも1.5mも深く、二曲輪との比高差は約13mと圧倒的な防御施設であったことがわかりました。また、東西の斜面には雛壇状の腰曲輪があり、屋代城を特徴づけています。

 西麓には屋代政国開基の満照寺があり、1552年に建立されました。当時、調査に関わった中央大学の峰岸純夫教授は、県ないし国の史跡に値すると1997年1月の信濃毎日新聞に記事を掲載しています。

                        (監修・千曲市文化財センター)